看護師にはいくつかの種類があるって聞いたのですが、どういうことなのでしょうか?
実は看護師の国家資格を持つ人が全員看護師になるわけではありません。そして、病院で見かけるいわゆる「看護師」は正看護師と准看護師に分かれます。
看護師の国家資格が必要な職業
看護師の国家資格はいわゆる「看護師」になるために必要なものと思われがちですが、その他の職業でも看護師の国家資格が必要な職業はあります。
正看護師
病院で見かけるいわゆる「看護師」です。看護師の国家資格を持つ人の多くが正看護師となります。
助産師
看護師の国家資格+助産師の国家資格を持つ人が助産師になることができます。助産行為のスペシャリストであり、お産の支援を主に担当します。助産師の国家試験の受験要件として女性であることが必要なので、女性しかなれない職業です。
保健師
看護師の国家資格+保健師の国家資格を持つ人が保健師になることができます。保健指導のスペシャリストであり、保健所や企業、学校などで、健康維持や病気・けがの予防のため保健指導を行います。以前は「保健婦」という名称で女性しか就くことのできなかった職業でしたが、現在は男性でもなることができます。
看護師の国家資格が必要な職業は3種類あるんですね!
病院で見る一般的な「看護師」の種類
「看護師」には大きく分けて、正看護師と准看護師がいます。病院で「看護師」を見かけても、その「看護師」が正看護師か、准看護師かなど分かりません。その違いとはなんなのでしょうか?
資格が違う
正看護師になるには、看護師の国家資格が必要です。対して准看護師になるには看護師の都道府県知事資格が必要です。
業務内容はほぼ同じ
正看護師と准看護師の業務内容はほぼ同じですが、准看護師には業務内容を行うにあたって制限があります。准看護師は正看護師や医師の補助をするための資格という位置づけなので、正看護師や医師の指導のもとでなければ業務を行うことができないのです。
給料・キャリアアップに差がある
准看護師の平均年収が406万円なのに対して、正看護師の平均年収は478万円というデータがあります。同じ勤務時間・業務内容なのに、持っている資格というだけでここまで年収が変わってしまうのです。また、准看護師は正看護師に指示することができないので、看護師長などの看護管理職につくことはできません。
正看護師と准看護師では持っている資格が違うのですね。
正看護師のなかにいる特別な看護師
正看護師には以下のような特別に認められた看護師がいます。
認定看護師(Certified Nurse:CN)
ある特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を有することを認められて、水準の高い看護実践を通して看護師に対する指導・相談活動を行う看護師です。
専門看護師(Certified Nurse Specialist:CNS)
専門看護師は、水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できると認められた看護師です。「専門看護分野」ごとに日本看護協会が認定しています。看護師として5年以上の実践経験を持ち、看護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得した後に、専門看護師認定審査に合格することで取得できる資格です。
診療看護師(Nurse Practitioner:NP)
診療看護師(Nurse Practitioner:NP)とは大学院の終了課程において、医学の知識と初期医療に関する実践を修了した看護師です。そして看護職でありながらより医師サイドにたった診療を一定の制限下で行える、国が認めた新たな制度上の看護師です。診療看護師は従来の看護師よりも侵襲の高い処置を行うことができます。そのため、医師が何らかの事情で患者さんへの対応が困難な場合に、迅速かつ安全な医療を提供するのが大きな役割の一つです。
こういう看護のスペシャリストがいるなんて知らなかった!
一概に「看護師」ではなくて、違いを知っとくと役に立つかもしれませんね。