私は中学受験をして難関校に合格しました。中学受験をするにあたって中学受験専門塾に通ったのですが、自分も友達も中学受験のストレスによって様々な身体症状が出ていたのでその経験をお伝えします。中学受験をする子供を持っている親御さんの参考になれば幸いです。
中学受験は異常である
まず最初に親御さんに認識して頂きたいのは、中学受験が異常であるということです。
特に難関校を狙う場合中学受験はとても熾烈なものになります。
中学受験では中学受験専門塾(四谷大塚・日能研・浜学園・SAPIX)に通うのが一般的でしょう。
そこで塾生は猛勉強を強いられます。土日は朝の9:00から夜の10:00まで塾にいるという世界です。
私の在籍していた塾では年越しで勉強しましょうということで12月31日の19:00から1月1日の7:00までほぼぶっ通しで勉強するという会がありました。
難関校の生徒の中には、中学受験が人生で一番勉強した時期だったという人がけっこうでてきます。
大学受験でもそんなに勉強できる人は多くないでしょう。大学受験以上の負担が中学受験をする小学生にかかってしまうのです。
成績によるクラス分けもかなりストレスになります。
中学受験専門塾では通常成績ごとにクラス分けをして生徒に競争意識を持たせます。
下のクラスにいる子は小学生の段階で劣等感を感じ、かなりのストレスになります。
上のクラスにいる子はそれはそれでクラスを維持しないといけないプレッシャーを感じて生活するのでストレスがかかっています。
中学受験をする子全員にかなりのストレスがかかっているんだね。
親御さんは子供にストレスを与えないように家庭内で一切成績について触れないようにしようなどと気を遣っていることが多いと思います。
ですが、そうしても子供にかかるストレスというのを完全に取り除くことはできません。
子供はストレスというのを明確には感じません。ストレスというのをいまいち実感しないまま、様々な身体症状が出てしまうことが多いです。
それなので親御さんは子供に受験によるストレスで身体的症状が出たらできるだけ早く気づいてあげる必要があります。
ストレスで起こる身体症状
中学受験をする子にはとにかくストレスがかかります。
遊びたいのに遊べない、長時間勉強させられる、成績によって分けられるなどのストレスです。
身体症状がでる子供自身も気づかないうちに多くのストレスがかかっています。
重要なので何度も言いますが、子供自身はストレスを認識していません。なので「勉強やだ、塾やだ」などと言ってきたりもしません。日々少しづつ積もる我慢が子供に影響を与え、ある日突然身体症状となって表面化します。
抜毛症
中学受験をしている子供にストレスで起こる症状で一番多いのが抜毛症でしょう。
抜毛症は文字通り体毛を抜いてしまう病気です。
抜毛症の子供は髪の毛・眉毛・まつ毛などを抜いてしまいます。
これはストレスを感じているときに、体毛を抜くことがストレス解消法になってしまったときに起こります。
体毛を抜くことがどうしてストレス解消法になるの?
昔抜毛症だった友達に聞いたところ毛根ごと綺麗に抜けたときに爽快感を覚えるらしいです。そして一回その爽快感を覚えると止められなくなってしまい全部抜いてしまうんだそうです。
「よくないことだと分かっているんだけれども止められなくて苦しかった」と友達は言っていました。毛が抜けたことによるストレスでさらに毛を抜いてしまうという悪循環が起こる子も多いようです。
私が知っているのは眉毛を抜いてしまって眉毛が無くなった友達と髪の毛を抜いて部分的に禿げた友達ですね。
朗報と言うべきでしょうか…抜毛症だった友達は2人とも中学校に入ったら突然治りました。毛も元通りに生えました。
原因が中学受験によるストレスなので、中学に入った途端に症状は治まるといった子が多いようですね。
眉毛・髪の毛は気づきやすいのですが、まつ毛は意外と気づきにくいです。子供のまつ毛をチェックしてみて下さい。子供は抜毛することを何となくよくないことだと認識しているので、自分から親には決して言いません。
アトピー性皮膚炎
私は中学受験時にアトピー性皮膚炎を患いました。
お尻がどうしても荒れて炎症を起こしてしまうのです。炎症を起こしてとてもかゆいのでかきむしってしまいお尻にかさぶたができているという状況が続きました。
パンツが血でベッタリになってしまったこともありましたね。
中学受験の追い込み時の小6の夏ぐらいから症状は突然現れました。
ある日普通にお風呂に入って出たら、母親がびっくりします。
「あなた、なんでそんなにお尻が赤いの?」
このようにしてアトピー性皮膚炎を患ったのですが、母親も私も原因が分かりませんでした。
病院で医師に見てもらったのですがそれでも原因は分かりません。医師には中学受験をしていることは伝えなかったと思います。最初は虫が原因だと母親も私も考えていました。
薬を塗っても何をやっても症状は改善しませんでした。
自分でも驚いたのですが、中学受験に合格してから1ヶ月以内にこの症状は消えました。
後から考えるとあれは中学受験のストレスによるアトピー性皮膚炎だとはっきり分かるのです。
ですが、中学受験をしている最中だとどうしても気づけません。自分は中学受験をそこまでストレスに感じていないと思っていましたが、実は感じていたようでそれがサインとして体に出たのだと今思います。
母親もあまり私がストレスを感じていないだろうと思っていたので、その可能性に気づくことができませんでした。
過敏性腸症候群
塾の友達にトイレに頻繁に行く子がいました。
授業時間が60分なのに必ず2~3回トイレに行くんです。テストのときも変わらずトイレに行っていました。
当時はみんなその子に冗談で「余裕だな」と言っていました。子供なので病気でそのような状態になるとは想像つかないのです。
その友達は「お腹が痛いんだけど、全く出ないの」と言っていました。波が1時間に多いときで2~3回来るようでした。「テストのときが一番やばい」とも言っていましたね。
今考えてみると、その子は受験のストレスによって過敏性腸症候群を患っていたのではないかと思います。
過敏性腸症候群ではストレスによって便秘や腹痛などが起きます。レントゲンや内視鏡、便の検査をしてもなんの異常もないのに消化器系の症状が出てしまうのです。
まとめ
中学受験のストレスというのは子供の身体に目に見える形である日突然出現します。
原因が分からない症状であるときは中学受験のストレスの可能性を頭に置いておくとスムーズに対処できるのではないでしょうか。
気休めになるのは、中学受験のストレスによって起きた身体症状は中学受験が終わると大体消えるということです。
正直言って中学受験のストレスによって起こった身体症状は中学受験の最中には治らないでしょう。
ですから、できるだけ症状を緩和できる処置を探すことが重要です。
子供が体調の不調を訴えてきたら子供を信じましょう。「塾を休みたいからそんなこと言っているんでしょ」などという疑いは厳禁です。受験によるストレスは目に見えないところで子供を蝕んでいる可能性が十分あります。子供の体調を気遣ってこそ受験は成功するものだと思いますよ。